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蓄音機とSPレコードの専門店 銀座シェルマン アートワークスのブログです
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竹針に対応したサウンドボックスについて

竹針を使用できるサウンドボックスについて

蓄音機を使い始めるとレコードやアクセサリーなどについても色々と関心が出てくることと思います。

今日はそんな中でしばしばご質問を頂く、竹針について少し書いてみたいと思います。

竹針を使ったSPレコード演奏については、相性の問題など諸説ございますのでその件については割愛します。

今回は、「お手持ちの蓄音機で竹針が使用出来るのかを確認する方法」についてお話致します。

竹針の形は竹を長さ3センチ、一辺2ミリほどの三角柱の形に割ったもので、先端を斜めに削ぐことで尖らせてあります。

竹針に対応したサウンドボックスについて_a0047010_20532197.jpg

鉄針と異なり、断面が三角形ですので、サウンドボックスに装着するためには針の取り付け穴が竹針の断面と同様に三角形をしている必要があります。

※竹針対応のサウンドボックスの穴が三角形をしているため竹針と鉄針の両方を装着することができます。細くて丸い鉄針は角の一つに押し付けて固定されます。
竹針に対応したサウンドボックスについて_a0047010_17334457.jpg
丸穴のものはそのままでは入りません。加工が必要です

ところで竹針というと「太平洋戦争中の日本で鉄の不足を補う代用針として始まった」という話をよく耳にしますが、これは俗説です。

物資不足でやむなく自作した場合もあったとは思いますが、本来はもっと積極的に独特の音色を楽しんだり、レコードをいたわる目的で使われていました。

意外に思われるかもしれませんが、竹針は1910年にホールというアメリカ人が考案したものです。

1911年頃には米ビクター社が商品として竹針の販売をはじめ、欧米に普及しました。

1910年代の半ばにはアメリカやイギリスの大手メーカーの蓄音機の大半で竹針を装着できる様になっていました。

しかし、ビクター製であっても竹針が存在しない1910年以前の蓄音機のサウンドボックスは針の取り付け穴は鉄針にあわせた丸形になっています。

このタイプ(時代)のものは基本的にそのままでは竹針は使用出来ません。竹針の根元を丸穴に合わせて小刀やヤスリで削ってあげる必要が有ります。

そのほか1910年代以降でもメーカーの考え方によってサウンドボックスに非対応(丸穴)の物がございます

竹針に対応したサウンドボックスについて_a0047010_17334465.jpg
ビクターやHMV等の大手メーカー品で1910年より後のモデルはこのように三角柱が入るようになっています


竹針に興味をお持ちの方は、まず始めにお持ちの蓄音機のサウンドボックスが竹針対応かどうかを確認してみて下さい。

当社で販売している竹針は、穴の形が三角(または三角が入る様な切り欠きがある)をしていれば、だいたいどのサウンドボックスにも装着できます。

しかし当時の業界には明確な規格が有りませんでしたので、あるメーカーの蓄音機で使えた竹針が、別のメーカーではうまく入らないことがございます。

また、蓄音機は製造から80年以上経過したものが殆どであるため、経年によるサイズの変化や、異物の付着などでもうまく装着できないことがあります。

何れにしてもこういったマイナートラブルは付き物ですので、その点も含めて使いこなしを楽しんで頂ければと思います。

もちろん分からない事や疑問点があれば知りうる範囲でお答え致します。


株式会社シェルマン アートワークス
〒104−0061 東京都中央区銀座3-14-16
TEL.03-3543-4848/FAX.03-3543-4857
E-mail: 78rpm@shellman-aw.co.jp
営業時間:10時-19時
定休日:日曜・祝祭日

by Shellman78 | 2020-08-25 21:14 | 針・その他 | Trackback
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